一話完結・人間が怖い話 / 51秒
その救助は、撮り直しでした。
「もう一回、お願いします」
助けてくれた男は、スマホを向けた。
雨の橋で助けてくれた男が、撮影のやり直しを頼んできた。救助と撮影の関係が反転する、一話完結の人間が怖い創作怪談。
雨の橋で助かったはずだった。駆け寄ってくる人影に、私はもう一度期待してしまった。
2026年10月23日 12:00(日本時間)YouTube公開
YouTubeで一話を見る公開時刻までは動画を視聴できません。ショート一本で結末まで収録しています。
声と音の演出
作者の学習済み音声を原音で使用。使用できない文はVOICEVOX:玄野武宏(ノーマル)で補完。雨、足音、衣擦れ、スマホの操作音と、控えめなオリジナルBGMで表現しています。字幕付き。
場面絵はAI生成画像を使用。オリジナルの創作です。実在の救助・事故映像ではなく、特定の人物や投稿者・事件とは関係ありません。
結末まで読む(ネタバレあり)
雨の橋で、足を滑らせた。男が私の腕をつかみ、引き上げた。
礼を言うと、男はスマホを向けた。
「撮れてなかったんで。もう一回、お願いします」
断ると、男が動画を見せた。私の背中を押す手が映っていた。
「次は、手が映らないようにします」
通行人が駆け寄ってきた。助かった、と思った。
その人はスマホを構えた。「じゃ、私が撮ります」
男の手が、私を欄干の外へ押し戻した。
翌朝、動画が投稿された。「見知らぬ人を二人で救いました」
